終活カウンセラーでお墓ディレクターのMr.Kuyouです。
厚生労働省後援の公益社団法人全日本墓園協会開催「墓地管理講習会」の全課程を修了しています。
終活の始め方・時期はいつから?
終活カウンセラーとして仕事をしているとよく聞かれることがあります。
「終活の始め方がわからない。」
「終活って、いつから始めればいいのですか?」
具体的に何歳からというものはありません。
答えは、本人が必要と感じた時期が始める時。
定年を迎えたとき。
病気になったとき。
自分と同世代の人の葬式に参列したとき。
それぞれの人が、自分の人生の過去を振り返り、未来について考えてみたいと思ったとき。
その時が、終活を始めるべき時です。
終活を行うことのメリット
終活をするメリットは3つあります。
自分の意志を残せる
・お葬式をどうしてほしいか
・遺骨をどうするか
・遺品をどうしてほしいか
といった自分の考えを残し尊重してもらえます。
残される人が安心できる
残された家族の負担が減ります。
お墓探しや、財産のこと、葬儀にかける費用など。
人が亡くなるだけでも大変ですが、その後のことまで全て家族任せにしてはいけないと思う方が終活を始めることも多いです。
人生を振り返り、生き方を考えるきっかけになる
死を意識することは、生を意識することでもあります。
終活は今後の人生・行動を考えるきっかけになるはずです。
終活を始める年齢の目安は60代後半
終活を始める時期は前述したように、思い立ったが吉日です。
そして、健康なうちから始めるのがいいと思います。
お墓探しや、介護施設、葬儀社の検討や見学には、思っているよりも体力や時間を使います。
目安が欲しい方に向けてお伝えしますと、終活カウンセラーの私が観測している範囲では、60代後半から始められる方が多いです。
また、70代、80代の方は子どもさんと一緒に始める方もいらっしゃいます。
終活とは(終活をする意味)
終活。
その意味は、「人生の終わりをより良いものとするため、事前に準備を行うこと」です。
残される人家族の負担を減らすための活動と考えられる方も多いですが、自身が人生を見つめ直し、今後を自分らしく前向きに生きるための活動でもあります。
終活のやり方・方法は十人十色。
必要になってくる活動は人それぞれです。
全てを完璧にする必要はありません。
全体像を知り、自分に合った終活をすることが重要です。
終活を始める際の参考にされてください。
終活が必要とされるようになった背景
終活の準備が必要とされるようになった背景にはさまざまな要因があります。
家制度から個の時代へ
日本では、「家」を守ろうという価値観が長らく続いていました。
しかし、現在の成熟した日本社会は、進学、就職、転勤、転職で、生まれた場所、育った場所、学んだ場所、働いている場所が違う「移動社会」へと変わってきています。
また、価値観も「家」から、「個人」・「夫婦」・「家族」が重要と考える人が増えてきています。
「家制度」の時代は、「家」を守っていれば、人生の終末は「家」の誰かがやってくれました。
しかし、「移動社会」・「個の時代」では、人生のエンディングは自分自身が関わっていかなくてはならないものへと変化してきたのです。
医療の進歩と平均寿命の延び
日本の平均寿命は、高度に医療が発達したことで、世界でも有数になりました。
しかし、健康寿命といわれる「寝たきりなど健康上の問題がなく、日常生活を送れる期間」と、「亡くなるまでの期間である」平均寿命の差は、男性で9年、女性で12年もあります。
つまり、日本では身体が衰える「寝たきり」や、認知能力が衰える「認知症」の余生を長い期間過ごす可能性があるということです。
そのため、そうなる前に準備をする「終活」にスポットライトが当たったのです。
エンディング業界と国とマスコミの期待
「終活」は、日本では数少ない成長産業と言われています。
日本の年間死亡者数は130万人を超え、2030年には160万人を超えると予想されている「少産多死社会」を迎えています。
比較的所得が高い高齢者に、なんとか消費をしてもらいたい国。遺言や相続、死後事務委任契約などの仕事を求める司法書士、税理士、弁護士。納骨堂・墓・樹木葬の生前購入を勧める寺院や霊園。終活特集を組むと部数・視聴率が伸びると言われている出版社・テレビ局。
国と、エンディング業界、マスコミの三者の期待が、終活の存在を知らせるスピードを加速させています。
いつの間にか終活は、本人との思惑とは関係なく、高齢者の必須科目になりそうな勢いです。
終活のやり方・方法
終活の項目は驚くほどたくさんあります。
これを全て完璧に行うことはできません。
自分が興味があることや、一番家族が困ることだけでも解決してみようというくらいの軽い気持ちで始めることが大事です。
まずは、エンディングノートを手に入れる。
そして少しでも記入してみることを終活カウンセラーはおすすめしています。
終活の項目
それでは終活には、どのような項目があるのでしょうか?
大きく分けると「介護」・「生前整理」・「相続」・「葬儀」・「供養」の項目があります。
終活の項目①介護
平成27年度の生命保険文化センターの調査によると、介護期間の平均は59.1カ月。
約5年ですが、この調査は現在も介護をしている人も含まれており、実際の期間はこれよりも長くなります。
介護の大変さは、介護をしているその時の大変さもありますが、それがいつまで続くのか誰もわからないというところにもあります。
「終わりの見えない介護」をしてもらう立場になることを意識するのが、終活のポイントになってきます。
残される人の負担がなるべく少なくなるように、まず必要になってくるのが「お金」です。
単純にお金を貯めるという発想もありますが、しっかりと国の制度を使える知識を身につけるということが重要になってきます。
介護が必要になった時、誰かが手続きを勝手にしてくれることはありません。
どのような手続きが必要で、制度を使う条件はどんなものかを把握する必要があります。
要介護認定の調査の際、調査員が訪問すると急に無理をして元気に振る舞うお年寄りもいると聞きます。
本来であれば、受けられていた認定が受けられず、家族が困ることになります。
このようなことは、介護を受ける本人の知識があれば防げることです。
また、これから日本では若者の数も減り、介護の仕事に就く人の数も減っていくでしょう。老人が増え、若者が減る社会では、介護施設も人材不足になってくる可能性が高いです。
そうなると、今以上に、介護が必要であるのに、介護が受けれられない「介護難民」が増えることになります。
健康なうちに、もし自分が介護されることになった場合、どこに施設があり、そこに入るためにはどのようにしたらいいのかを調べておくことも大事になってきます。
延命治療についても、さまざまな議論が行われています。
「リビングウィル」と言われる、本人の意識がはっきりしている時に、終末期医療の選択についてあらかじめ要望を記しておく書類を準備するのかということも考えるべきかもしれません。
終活における「介護」で重要なことは、介護を受けることになる前に、「知識を身につけること」、「情報を集めること」、「自分の意志を残しておくこと」と言えるでしょう。
終活の項目②生前整理
「生前整理」とは、生きているうちに身の回りの物の整理をすることです。
核家族化が進んでいる現代では、親と子が別々に住んでいるので、親が亡くなったときに、子が親の遺品の整理を行う「遺品整理」が年々増加してきています。
しかし、「遺品整理」をするのは、遺族にとって非常に思い負担となります。
故人が大切にしていたかもしれないものを処分することに心が痛み、処分するかどうかの決心ができなかったり、必要なものと不必要なものを整理するのに、とても多くの時間を使うことになります。業者に依頼するにしても大きな費用がかかってきます。
残された人が「遺品整理」で苦労をしないように、できるだけ自分で「生前整理」をするということが大切になってきます。
また、「生前整理」は遺族のためだけはありません。
本人にとっても、今までの人生を振り返り、これからをどう過ごしていきたいかを考えるきっかけになります。
整理をしていくことで、自分が大切にしているものが何かを見つめ直すことができるはずです。
「生前整理」は、最期の時を迎えるまでの準備のように捉えられがちですが、最期まで自分らしく生きるための準備なのです。
ここからは個人的な意見なのですが、生前整理をするにあたっては、完璧を目指すことはないと考えています。
年を取ってくると、少し動くのもおっくうになってくるのではないでしょうか?
また、思い出が詰まっているものを捨てるのは寂しい気持ちになってしまうかもしれません。
そうであれば、「一枚の紙」に次の2つだけ記入してみるというのはいかがでしょうか?
- 形見として、受け継いでもらいたいもの
- 値打ちのあるもの
1.残された人が困るのが、故人の気持ちがわからず、残す物と処分する物の選別ができないことです。残す物さえ決めてもらえば、心理的な負担はかなり減ってきます。
2.焼き物や切手、骨とう品、着物など、遺族には価値がわからないものがある場合は、その価値をわからず捨ててしまうことがあります。そうならないためにも価値があるものを記入しておきましょう。
この2つを記入し、もしもの時に見つけてもらえる場所に保管するだけで、何もしないよりは、残された人はずっと助かることでしょう。
しっかり「生前整理」されたいという方も、焦らず少しずつ整理をされてください。
終活の項目③相続
平成27年にスタートした「新相続税制」で、基礎控除が4割削減されたことにより、相続税の対象者が、それまでの約1.8倍、全体の8%になったことが話題になっています。
全体の8%ということで、「12人に1人だから、ウチには関係ない。自宅マンションとわずかな預金だけだから。」と考える家庭ほど危ないと言われています。
相続税は払わなくてよいのですが、遺産の配分で揉めるケースが多いのです。
「家制度」の時代の古い民法では「家督相続」で、遺産の全てを長男が相続することを認めていましたが、現在の民法は「兄弟姉妹間で平等に遺産を分割する」ということになっています。
「平等に分割する」ことは非常に難しいので、兄弟姉妹間でトラブルが起こってくるのです。
遺産が自宅とわずかな預金で、子どもが二人の場合、平等に遺産を相続するためには、家を売るか、家を相続した方が、していない方に差額を支払う必要があります。
- 一人がその家に住んでいた場合
- 差額を支払う余裕がない場合
- どちらかだけが介護をしていた場合
- 本人同士では納得していたはずが、配偶者が納得しない場合
など、少し考えてみただけでも、トラブルの可能性が見えてきます。
「子どもたちは仲がよいから大丈夫」と、何もしないでいると「相続」が「争族」に。
そうならないためにも、対策を考える必要がありそうです。
一番いいのは「遺言書」を作ることですが、これは大変だと感じる方も多いでしょう。
そうであれば、元気なうちに関係者を集めて、自分の考えを伝えておく。
もしくは、法的拘束力はないですが、「エンディングノート」に希望を書き記しておくことで、兄弟姉妹間でトラブルの芽を摘むことができるかもしれません。
相続の話は、子から親には話しにくい話題です。
親戚一同が集まる機会は年に何回もありません。
まずは、親から子へ「相続」の話をしてみることが「終活」になります。
終活の項目④葬儀(葬式)
「葬儀」は終活の中でも、特に重要な項目と考えられます。
「介護」・「生前整理」・「相続」・「供養」は、準備しなくてよい可能性もあります。
- 介護を受けないまま、ピンピンコロリで逝かれる方もいます。
- もともと、断捨離されていて生前整理ができている人もいます。
- 相続も、何も対策しなくても揉めないケースの方が多いです。
- 供養は、先祖が準備してくれたお墓や納骨堂に入れる方が半数くらいです。
しかし、葬儀(火葬)をしないという選択肢はありません。
最近では、「直葬」といわれる通夜や告別式がなく、火葬のみを行う葬儀や、「ゼロ葬」という遺骨を引き取らないという考えも出てきているようですが、火葬をしないということはできません。
それでは、葬儀には、どのような種類があるのでしょうか?
葬儀(葬式)の種類
一般葬
一般葬は、伝統的な形式の葬儀です。一般会葬者なども含めて行う葬儀で、お通夜から告別式の流れで行います。多くの参列者が集まります。
喪主・遺族にとっては大変なことも多いですが、従来通りの葬儀の形式なので、人間関係に問題が起こりにくいのがメリットです。
交友関係が広い方や、比較的若くして亡くなった方には一般葬が向いています。
家族葬
家族葬は、家族のみで葬儀を行うと思われがちですが、親戚や関係の深い知人も加えた「少人数で行う葬儀」です。参列者は20名から30名以下とされます。
高齢化や核家族化の影響で、近年件数を伸ばしている葬儀の形式で、首都圏では全体の60%が家族葬と言われています。
会葬者を身内に限定することで、遺族の精神的負担が軽くなることもありますが、後日、会葬できなかった人が焼香に訪れたり、会葬できなかったことに非難を受ける可能性もあります。
一般葬と比べて、費用は安くなる傾向があります。
故人が高齢で参列者が少ない方や、小規模でもしっかりと儀式を行いたいという方には家族葬が向いています。
直葬(ちょくそう)
直葬は、通夜や告別式といった儀式をせず、火葬のみを行うため火葬式とも呼ばれています。(僧侶を呼び読経をしてもらうプランもあるようです。)
通夜や告別式をしないため、「葬送の方法の一つであっても、葬儀ではない」という意見もあります。
しかしながら、長引く不況により、葬儀にお金をかけたくてもかけられない遺族も増えており、家族葬と並び増加している葬儀の形式です。
宗教的な儀式を行わないことが、よいと考える方もいれば、何か寂しさを感じる方、故人に対しての申し訳なさを感じる方もいるようです。
自宅葬
自宅葬は、文字通り自宅で行う葬儀です。
長年故人が住んだ家で、時間を気にせずゆっくりと最期のお別れができるということで、注目を集めています。
遺族の「偲ぶ気持ち」に焦点を当てた葬儀の形式で、医療機関や介護施設で亡くなった故人を最期は家で見送ってあげたいという願いを叶える葬儀です。
近所への配慮が必要なことや、事業展開している葬儀社が少ないことに注意が必要です。
生前に自分の葬儀の予約までする方もいらっしゃるようですが、自分だったら、こういった葬儀にして欲しいということをエンディングノートに記すか、身内に話しておくだけでも、喪主・遺族は助かることでしょう。
また、その時々で考えが変わっても構いません。
まだ知り合いも多く、社会との関わりも多い60代の時は「一般葬」で検討しておき、80代になって知り合いも亡くなり、交流も少なくなってきたら「家族葬」に要望を変えるといったことが大事になってきます。
葬儀に関しては、事前の資料請求をすることをおすすめしています。
全国展開しており、顧客満足度も高いのが「小さなお葬式 」です。
事前の無料資料請求で、「自宅近くの会場」の情報や「割引チケット」まで送付されるので人気です。
最近はインターネットで葬儀の資料請求をして、情報を集める人も増えてきました。
終活の項目⑤遺骨の納め先を決める(お墓・納骨堂・供養)
供養とは、死者・祖先に対する追善供養のことですが、ここでは、火葬された遺骨をどのうな場所で供養するかという定義で説明します。
お墓
お墓には、公営墓地・民間墓地・寺院墓地・みなし墓地があります。
公営墓地は、市町村などの自治体が運営する墓地です。費用が安いというイメージですが、日本の景気がよい時期に造成されたことで、1区画が広く、実際は民間霊園より高いといったことも多いです。
自治体にとっては、労多くして功少なしの事業で、新しい区画が造成されることもなく、墓じまいで空いた区画の募集だけを行っているといった実態です。
セーフティーネットの意味合いで、合葬式墓地を建てる自治体も出てきています。
宗教宗派については不問です。
民間墓地、つまり民間霊園は、宗教法人や財団法人が運営しています。
認定を受ける条件が厳しい「公益財団法人」の民間霊園は安心できます。
霊園による差は大きいですが、時代のニーズに合わせて価格(広さ)やお墓のデザインを変えていっています。
流行の永代供養付きのお墓も登場してきていますが、永代管理であって、本当の意味での永代供養ではないという指摘もあります。
全ての霊園の経営状況がいいというわけではありませんので、しっかりと調べてから契約をする方がいいでしょう。
宗教宗派については不問です。
寺院墓地は、そのほとんどで、寺院の檀家・門徒になる必要があります。
宗教離れから、人気がなくなっているというわけでもなく一定の需要はあります。
大部分の公営墓地・民間墓地は、郊外にあり、交通の便が悪いため、都市部の一等地にある寺院が、その交通の便のよさから選ばれるということもあります。
また、有名な寺院の檀家になり、お墓を建てることがステータスになるというケースもあります。
みなし墓地は、共同墓地ともいわれ、お墓に関する法律ができる前から地域にあった墓地です。地域の方しか入ることができないところがほとんどで、管理料が安いことが多いです。
しっかりとした管理者がいないことも多く、無縁墓ができやすいのはみなし墓地です。
▼お墓探しに関連する記事
納骨堂
納骨堂にも、寺院の納骨堂、公営の納骨堂、民間の納骨堂がありますが、ほとんどが寺院の納骨堂です。
屋内のため、お墓と比べると掃除の手間がかからないということで納骨堂を希望する方もいます。
一般的に、費用はお墓より安いです。
宗教宗派を問わない民間霊園で納骨堂の募集が開始されると、短い期間で完売になる印象です。
樹木葬
樹木葬は、墓埋法により墓地として許可を得たところに遺骨を埋め、樹木を墓標(シンボルツリー)として埋葬します。
普通のお墓のように納骨室(カロート)があるタイプも人気です。
現在の需要は、自然に還りたいというより、「樹木葬=個別の永代供養」という認識で、あとの人の負担を減らしたいという方が決められています。
宗教宗派を問わず、金額もお墓より安いところがほとんどです。
樹木葬の選び方についてはこちらをご参考ください。
手元供養
手元供養は、遺骨を少量取り分けて、形見として身近に置いたり、アクセサリーとして身に着ける供養の方法です。心の繋がりを確認することができると、近年注目されています。
また、自宅墓の人気も高まっています。
手元供養や自宅墓についてはこちらをご参考ください。
散骨
散骨とは、焼骨を粉末状にして、海、空、山で撒く葬送方法のことです。
ここでは一番有名な「海洋散骨」について取り上げます。
海洋散骨は、違法ではありませんが、散骨に関する法律がないので適法でもないというグレーゾーンです。
条例で一定の海域での散骨を禁止にしている自治体もありますし、年々禁止される海域は増えてきています。
後悔した話を聞くことがあるのも「海洋散骨」です。
やはり、故人の遺骨が全て撒かれてしまい、お参りにもいけないということで、寂しい気持ちになるようです。
少量は手元供養で残すなど、工夫が必要かもしれません。
昔は費用が一番安かったですが、現在は合葬式の永代供養が一番安く、お参りにも行けるので、そちらの人気が高まっています。
自然に還りたいという思いも、樹木葬が増えてきていますので、どうしても散骨がいいという人以外は、他の供養形態も含めて検討してみるといいでしょう。
▼海洋散骨に関する記事はこちら
供養の種類は、10数年前までは、「お墓」か「納骨堂」しか選択肢がなかったのですが、最近では非常に多くの選択肢があります。
選択肢が多いがゆえに、迷ってしまうということもあります。
「終活」で、供養の種類を選ぶ際のポイントは、現地に行くことです。
終の棲家となる場所ですから、自分が訪れてみて気持ちのいいところが一番です。
交通の便の確認もできますし、遠足のような気分で行ってみてはいかがでしょうか?
終活の段取り
エンディングノート(終活ノート)を書くこと
エンディングノート(終活ノート)を記入することは「終活」の始め方の基本です。
無料のエンディングノートを調査しましたが、有料の方が製本されていて綺麗で、書きやすいことがわかりました。しかも、印刷代と製本代を足したら無料より有料の方が安いこともわかりました。
無料で製本してあるものを手に入れたい場合は、葬儀の資料請求をするともらえるものがあります。
↓この記事で紹介しています。
一番のおすすめはコクヨです。
文具メーカーで書きやすいことと、項目・内容が充実しています。
▼エンディングノートに関連する記事
ページをめくるだけでも、終活の流れがわかります。
記入するときも、全てを埋める必要はありません。
また、途中で気持ちが変わることもありますから、鉛筆で記入することをおすすめします。
遺言書と違い法的効力はありませんが、残される方からしてみると、エンディングノートがあることで助かることはたくさんあります。
金額も1,000円以内ですので、「終活に興味はあるけれど、何から始めよう」という方はまず、エンディングノートを買ってみるのもいいかもしれません。
終活の段取りは人それぞれ
健康問題・相続・供養のこと。
それぞれの家庭によって優先順位は変わってきます。
また、「お一人様」・「ボツイチ」といった言葉もでてきています。
人に頼めること。
自分でやらなくてはならないこと。
そういった考えなくてはならないことも、エンディングノートを書いているうちに頭の整理が少しずつできてきます。
終活に関する話題
お墓じまい
自分で代が途絶えてしまう方や、子どもさんが遠方でお墓の面倒をみることができない場合、お墓じまいを検討されるケースが増えてきています。
エンディングドレス
「最期の時まで、自分らしく」と考える女性から支持を集めているのがエンディングドレスです。
年々、エンディングドレスの需要が高まってきており、専門店もあります。
ペットの終活
「ペットを残して、自分が死んでしまったら」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、「ペット信託」や「ペットあんしんケア制度」というものがあります。
ペット信託は、飼い主の死後、自分の代わりにペットを飼育してくれる人を決め、その人に飼育費として残す財産を管理するためのしくみです。
また、ペットが亡くなったときにペットの遺骨をどうするかということを考える方もいらっしゃると思います。
現在は、ペットといっしょに入れる民間霊園もありますし、ペットの手元供養も充実してきています。
デジタル終活
「デジタル終活」とは、「終活」のデジタル版です。
スマホやPCを利用していない方は少ないと思います。
スマホやPCの「データ取り出し」や、知られたくない情報を削除する「データ削除」をすることが「デジタル終活」と言われています。
故人にとって、見られたくないものもあるでしょう。
そういったものが、見つかってしまうのは、葬儀をする際、知り合いに連絡するための連絡先を調べるときや、故人しかわからない証券や口座がないかといったことを調べているとき、パスワードを調べるときに起きるそうです。
必要な情報をエンディングノートなどに残しておくことで、余計なものが見つからずに済むかもしれません。
終活の資格
終活の関連資格には、「終活カウンセラー」、「終活アドバイザー」、「終活ライフケアプランナー」などがありますが、全て民間資格で国家資格ではありません。
終活の範囲は広く、一人で全てを網羅することはできないのです。
全体像を把握し、相談をされる方の話をよく聞き、その道の専門家へと繋ぐことが有資格者に求められていることです。
資格を取得することで、幅広い終活の知識を身につけることができますので、これから終活をしようと考えられている方の受講も増えてきています。
▼終活資格に関する記事
終活カウンセラーとは?どんな資格?合格率は?就職に有利なの? - きみと終活とわたし
終活関連の書籍(本・マンガ)
終活に関する本もたくさん発売されています。
発売されたなかには「終活なんておやめなさい」といった終活について疑問を投げかける本もあります。
また、終活の実体験をマンガにしているものもあります。
中尾彬さんが書いた終活の本の感想を書きました。
私もマンガ形式で終活・エンディングノートの記事を書いています。
終活の問題点「強制になっていはいけない」
本来、終活するかどうかも個人の自由なのですが「終活」という言葉が頻繁にテレビやネットや雑誌に取り上げられることによって、強制的なものになってはいけないと私は感じています。
特に、病気の人の終活についてはよく考える必要があります。
まとめ
「死」は誰にでも訪れるものです。
日本では「死」は穢れ(けがれ)とされ、死について考えること、語ることは避けられてきました。
「家制度」が機能していた時代は、それでもよかったのですが、現在は状況が変わってきています。
自分の家族や、自分自身。
「終活」をすることは、残りの人生を前向きに生きることができる「明るい活動」という側面も持っています。
そうするためには、元気なうちから始めるのが一番です。
私はエンディングの仕事に関わっていますが、この仕事に関わっている人の90%以上は、自分の仕事に誇りを持ち、まじめに取り組んでいる人たちばかりです。
しかし、10%くらいの人たちの行いで、「坊主丸儲け」、「ぼったくり」といった印象を持たれていることに悲しさを感じています。
そういった業者に捕まらないためにも、終活の知識を深め、複数の選択肢から選ぶということをして頂きたいと思っております。
最初にも書きましたが、終活は「100」か「0」ではありません。
完璧にする必要もなければ、これが正解というものでもありません。
考えること、少しだけでも始めてみること、話し合ってみることが大事です。
この記事は、このブログの入り口になるような記事にしていくつもりです。
今後も新しい情報や、詳しい情報を加筆修正していきます。
長文をお読み頂きありがとうございました。
よい終活ができますように!
本日は「終活はいつから何を始めればいいのか?」というテーマで終活全体のことをまとめました。
筆者の終活関連取得資格 ・ 修了証
筆者(Mr.Kuyou)は、終活・お墓・墓地に関連する資格を取得しています。
終活をまじめに考え、有益な情報をお届けするブログ運営をこころがけております。
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