きみと終活とわたし

「終活カウンセラー」のMr.Kuyouがお届けする終活・エンディングノートのブログです。

樹木葬の注意点、メリット・デメリットを解説!

お墓の専門家であるお墓ディレクターのMr.Kuyouです。

 

終活カウンセラーの資格も持っており、厚生労働省後援で公益社団法人全日本墓園協会開催の墓地管理講習会の全課程修了しています。(詳しくは自己紹介ページに)

 

ここ数年、会社で売れ行きが一番いいのが「樹木葬」です。

マスコミにも取り上げられ、毎月、普通のお墓の倍くらいの契約があります。

同業者(霊園・石材店)の集まりに行っても同じ意見で、全国的に「樹木葬」は人気です。

 

東京の民間霊園の樹木葬の写真

 

自然葬の一つである樹木葬。

 

なぜ、樹木葬は人気なのでしょうか?

実際にお客様の声を聴いている私が、樹木葬の人気の秘密と注意点に迫ってみます!!

 

 

樹木葬とは?

樹木葬は墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)によって許可を得た霊園・寺院に遺骨を埋葬し、遺骨の周辺にある樹木をシンボルツリーとして故人を弔う供養形態です。

そのほかにも、ガーデニングのような庭園風の中に石碑を置くもの、里山に埋葬するものも樹木葬と呼びます。

 

名前を彫る石碑がある場合とない場合があります。

 

また、骨壺のまま埋葬する方法と、骨壺から遺骨を取り出し土に還す方法があり、それぞれの霊園・寺院で埋葬方法は変わってきます。

 

樹木葬の人気の理由 (契約者の声)

①次の代(子ども)の負担が少ない

 「子どもが東京に行ってしまって、もう地元には戻ってこないから。」

 

「ウチは娘だけだから。結婚してしまったら、どこに行くかわからないし。」

 

「毎年払う管理料がないのがいいわ。子どもたちに払わせたくないの。」

 

「お墓と違って、掃除をしなくていいのがいい。多分息子は掃除しないだろうから。」

 

こんな声が目立ちます。

 

私の印象ですと、跡継ぎがいないから樹木葬という方は少なく、

 

  • 子どもはいるけれど遠方。
  • 娘がお嫁に行くかもしれない。お嫁に行った。
  • 自分たちが亡くなった後、子どもに毎年の管理料を払わせたくない。
  • 子どもが忙しそうにしていて墓掃除をしないと思っている。
 
子どもはいるけれど、迷惑をかけたくないと思っている方が多数です。
 
また、樹木葬は霊園や寺院が永代供養をしてくれるところも多く、その点にメリットを感じている方も多いです。
 

②比較的、金額(費用)が安い

樹木葬は、お墓や納骨堂などの従来の供養形態よりも安いことがほとんどです。

理由としては、同じ敷地面積の中に多く設置できることと、その家とわかるための墓標やプレートがお墓と比べるとかなり小さく、石材製作加工費が安く済むからです。

 

初期にかかる費用が安いことに加えて、年間の管理料がかからないことが多いのも樹木葬の人気の理由です。

 

最初に1回払ったら、その後払わなくてよいというのはお客様にとって好材料のようです。

 

③自然志向の高まり、宗教離れの影響

「樹木葬」と聞くと、「自然に還る」というイメージを持たれるようです。

「千の風になって」のヒットを思い出す方もいらっしゃいます。

実際は、自然に還る樹木葬と、そうでない樹木葬がありますが、こちらは後述します。

 

お寺の付き合いもなく、無宗教だから樹木葬がいいという方もいらっしゃいます。 

 

樹木葬で注意すること、気を付けること

①土に還るタイプと骨壺のまま安置するタイプがある

樹木葬は、土の中に埋めて、肥料になって花が咲くとか、木が育つといったことを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、実は、土に還す樹木葬は半分くらいです。

 

残りの半分は、カロート(納骨室)の中に骨壺を安置するタイプです。

つまり、普通のお墓と構造がいっしょでシンボルツリーが真ん中にあるというタイプです。

 

しかも、最後の人が亡くなって骨壺を安置してから、3年や7年や13年といった期間のあと、合葬式墓地に移されることがほとんどです。

これはなぜかというと、年間管理料が入らない樹木葬は、循環させていかないと霊園の収益がどこかでストップしてしまうからです。

 

土に還ることを期待されている方は、気を付けてください。

 

▼手元供養と組み合わせることで、合葬のデメリットは軽減できます。 

www.shuukatsu.blog

 

②子どもは子どもで納骨するところを準備をすることに

樹木葬は、一人用もしくは二人用ということが多いです。夫婦で入る場所を見つけたとしても、その子どもはまた自分たちの場所を探さないといけません。

 

お墓や納骨堂は樹木葬と比べると最初の費用は高いですが、納骨できる人数は多く、子どもが近場にいて跡を継ぐ場合、長い目で見るとお墓や納骨堂の方が安かったということになるケースが出てきます。

 

③樹木葬のみの霊園に注意(トラブルあり)

年間管理料を払わない樹木葬は、区画が埋まった時点で安定した収益がなくなります。

一定年数で合葬式墓地に移す場合は区画が空きますが、そうでない場合は注意が必要です。

 

樹木葬だけで霊園運営を行っていないかのチェックが必要です。

 

バランスよくお墓も建っている霊園や、その他の収入源がある寺院の方が経営状況がいいことが多いです。

 

④よい樹木葬と悪い樹木葬の差が大きい

現在、樹木葬は流行で「樹木葬」といえばお客様が来る状態です。

今の樹木葬は玉石混交です。

中には地目が墓地でないところに、無許可で埋葬しているところもあります。

管理者に確認が必要です。

 

比較検討するために、必ず2つ以上見学することをおすすめします。

 

樹木葬の金額・費用

お墓ディレクターの仕事で九州各地や東京の霊園を見学していますが、近年人気で金額が上がってきている印象です。

 

代表的な民間霊園をそれぞれ10カ所ずつ調べてみたところ、

 

  • 東京近郊で二人用で80万円から120万円
  • 地方では二人用で40万円から80万円

 

といった相場になってきています。

 

樹木葬のメリット・デメリット

エンディング産業展での樹木葬の展示の写真

 

樹木葬のメリットですが、宗教的なしがらみや親戚関係のしがらみが少ないというところです。

特に、一人当たりの費用面でものすごい安いというわけではありません。

家父長制から「個」の時代への移り変わりの中で、特に団塊世代に受け入れられている印象です。

 

樹木葬のデメリットとしては、歴史が浅いため問題が今から出てくる可能性があるというところです。

 

桜の木などは根が横に生えていくので、石を盛り上げることもありますし、手入れも大変です。

 

年間管理料を無し(ゼロ円)にしているところも多いのですが、管理者が責任をもって何十年も続けてくれるかというところは真剣に見極めることが重要です。

 

あまりにも格安なところは注意が必要です。

(寺院で慈善事業でやっているところは比較的安心です)

 

実際に過去にも民間霊園の破たんはあります。

 

失敗しない樹木葬の探し方

自分が亡くなった後も、霊園や寺院が永代に供養をしてくれる樹木葬。

現代人の宗教離れや、「自然に還りたい」という思い、子どもに負担をかけたくないという親心を背景に増加しています。

 

しかし、流行の影に将来の運営が危うい樹木葬も見受けられます。

  • 埋葬方法
  • 合葬式墓地があるか
  • 樹木葬以外の収益があるか
  • 複数の樹木葬を見学したか

以上の点に注意しながら、あなたに合う樹木葬をお探しください。

 

生前に終の棲家を見つけることは、「終活」の中でも非常に重要なところです。

残された遺族が悲しみの中、埋葬先を見つけるのは大変です。

 

あなたの終活がうまくいきますように。

 

本日の記事は『樹木葬の費用や探し方。人気の理由と注意点を専門家が解説!!』でした。

 

それでは。

 

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anoyo-konoyo.net

 

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