お墓ディレクターで終活カウンセラーのMr.Kuyouです。
厚生労働省後援で公益社団法人全日本墓園協会開催の墓地管理講習会の全課程を修了しています。
今回は、東京都が運営・管理をしている樹木葬について、墓地・霊園の専門家としてわかりやすく解説していきます。
東京都が公表している情報は、樹木葬がある小平霊園だけでなく、多磨霊園、八柱霊園、八王子霊園、青山霊園、谷中霊園の合わせて6霊園の情報が掲載されています。
また、埋葬の種別も普通のお墓や芝墓地、共同埋葬など複数ありますので、樹木葬のことだけ知りたいという方には、非常に難解なものとなっています。
そこで、一番人気の樹木葬に絞ることで、情報がわかりやすく伝わるのではと考えました。
小平霊園への見学に行ったときの写真とともに情報をお届けします。
東京都立霊園の樹木葬の解説
応募・申し込みできる樹木葬の種類
東京都は「樹木葬」という名称は使用していません。
「樹林墓地」と「樹木墓地」という名称を使用しています。
大きく分けると
- 樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地):共同埋葬
- 樹木型合葬埋蔵施設(樹木墓地):個別埋葬
の2種類があり、どちらも小平霊園で埋葬されます。
※令和3年7月に見直してみると共同埋葬は募集からなくなっていました。
東京都立小平霊園の樹木葬(樹林墓地)の募集・応募について
小平霊園の概要
所在地
〒189-0012 東京都東村山市萩山町1-16-1
交通機関
西武新宿線小平駅から徒歩5分
連絡先・電話番号
小平霊園管理事務所:042-341-0050
樹林墓地と樹木墓地の違い
樹林墓地の埋葬方法
▲出典:都立霊園平成30年度申し込みのしおりより
樹林墓地は正式名称を「樹林型合葬埋蔵施設」といいます。
その名の通り、共同埋葬です。
共同埋葬は遺骨を骨壺から出して合わせ葬ります。
合葬といわれる方法になります。
埋蔵に立ち会うことはできず、手続き順のため埋蔵場所の指定もできません。
埋蔵した遺骨は取り出すことはできません。
樹林墓地の使用料(費用)
樹林の下の施設に多くの遺骨を埋蔵することができるため、使用料は安くなっており、最初に1回支払えば、毎年の管理料を支払う必要はありません。
1体用と2体用がありますが、ここでは1体用のみ紹介します。
(2体用にしても、1体あたりの使用料は変わりません)
遺骨:128,000円
粉状遺骨:42,000円
ここでいう遺骨というのは、火葬されたあとそのままの遺骨です。
粉状遺骨は、その後、粉骨された遺骨のことをいいます。
粉骨されると体積が3分の1から5分の1になりますので、より多くの遺骨か埋蔵できる粉状遺骨の方が金額設定が安くなります。
粉骨の費用は3万円から5万円ですので、心情的な面を考えなければ粉骨費用を合わせても粉状遺骨の方が安くなります。
樹林墓地の申し込み倍率(平成30年度)
亡くなって遺骨の状態で申し込むのと、生前に予約のような形で申し込む「生前申し込み」では大きく倍率が変わってきます。
こちらも1体の倍率を紹介します。
遺骨:2.0倍
粉状遺骨:1.9倍
生前申し込みの遺骨:16.6倍
生前申し込みの粉状遺骨:5.6倍
多くの方が望んでいらっしゃる火葬されたままの状態で、生前に申し込む場合は16.6倍と非常に倍率が高くなっています。
これは2体申し込む場合も16.4倍と変わりません。
樹木墓地の埋葬方法
▲出典:都立霊園平成30年度申し込みのしおりより
樹木墓地は正式名称を「樹木型合葬埋蔵施設」といいます。
一般的な樹木葬のイメージと近いのはこちらの方です。
樹木の周辺に、遺骨を納骨袋に入れた状態で、直接、土に触れるかたちで「個別に」1体ずつ埋蔵します。
樹林墓地と同じく、埋蔵に立ち会うことはできず、手続き順のため埋蔵場所の指定もできません。
埋蔵した遺骨は取り出すことはできません。
樹木墓地の使用料(費用)
樹林墓地と違い、遺骨がそのままの状態でも、粉骨されていても費用は変わりません。
こちらも最初に1回支払えば、毎年の管理料を支払う必要はありません。
1体の使用料(費用):188,000円
2体の使用料(費用):376,000円
個別の埋葬になるので、樹林墓地より高くなっています。
※令和3年7月の費用は変わっていました。
樹木墓地の申し込み倍率
樹木墓地は平成30年現在、生前申し込みはありません。
ご遺骨をお持ちでない方は応募することができません。
(2体の場合はどちらかが亡くなっていることが条件)
遺骨(1体):1.5倍
遺骨(2体):1.5倍
遺骨がある方のみで、生前申し込みができないということと、樹林墓地と比べて金額が高いことから比較的倍率は低いです。
個別ということもあり、生前申し込みがあればもっと倍率は高くなるでしょう。
樹林墓地と樹木墓地の申し込み方法(募集・応募)
詳しくはこちらをご覧ください。
このページの「都立霊園申し込みのしおり」が一番詳しく載っています。
例年、7月の上旬に2週間程度の非常に短い期間で募集があります。
広報誌などにも情報は掲載されます。
インターネット申し込みもあります。
募集スケジュール(令和3年度)
令和3年度は、令和3年6月15日(火)から令和3年7月2日(金)の申込期間でした。
参考に平成30年度のスケジュールも掲載します。
- 申込期間:7月2日(月曜)から7月17日(火曜)まで
- 抽選日:例年通りであれば8月末
- 使用許可:例年通りであれば12月中旬
申し込み資格
樹林墓地と樹木墓地に関しては、申込者本人が都内に継続して3年以上居住しており、それを住民票で証明できることが必要になります。
分骨による申し込みはできません。
そのほかにも、必要書類や注意事項がありますので、申し込みを真剣に検討される方は必ず、上記の公式サイトをお読みください。
(この記事はあくまで、わかりやすくまとめたものです。)
感じたこと
平成30年度の小平霊園の樹林墓地の受付数は12,640でした。
都立霊園全体の受付数が27,845でしたので、半分近くの方が小平霊園の樹林墓地を申し込まれたことになります。
多くの方が望む、生前申し込みに関しては1体用も2体用も倍率が約16倍と非常に高倍率です。
少しでも、当選したいと思っていらっしゃる方は、粉状遺骨(粉骨)を選ばれると約6倍と当選しやすくなります。
長引く不景気と、祭祀に対する価値観の変化。
東京都は非常に地価が高いことで、通常のお墓や納骨堂は手が出ないくらいの金額です。
地方自治体のセーフティーネットとしての安価な埋葬方法が樹林墓地なのでしょうけれど、需要に対して供給が追いついていない印象です。
毎年の管理料を徴収しないため、東京都としても急に数を増やすわけにはいかないのではないかと考えられます。
この状況は急には改善はしないと予想します。
東京都民の皆さんは早めの「終活」が必要なのかもしれません。
本日は「東京都立小平霊園の樹木葬(樹林墓地)の募集・応募」について解説しました。
都立霊園以外の樹木葬の探し方
都立霊園では、倍率が高いので民間の霊園の資料も集めておき、同時に検討するのがいいでしょう。
民間霊園でも安い費用で永代管理してくれるところはたくさんあります。
私のおすすめは、熊本は阿蘇にある天空陵です。
熊本・大分の樹木葬 | 金剛宝寺【天空陵】15名様まで埋葬可 45万円
管理費ゼロ
送骨もできる
何人入っても45万円
デジタル過去帳が無料で利用できる
リモート法事も可
ロケーション抜群
九州有数の樹木葬墓地で、東京の方も多数申し込みされています。
東京にこだわらなければ、広くて綺麗な樹木葬はたくさんあります。
それでは。
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