終活カウンセラーでお墓ディレクター(石材産業協会)のMr.Kuyouです。
▼お墓ディレクター
▼墓地管理講習会全課程修了証(公益社団法人全日本墓園協会開催)
全日本墓園協会が開催している墓地管理講習会を修了しています。
今日は、お墓・霊園の専門家が墓地の選び方について解説します。
霊園・墓地の選び方
まず、前提としてお墓はどこにでも建てられるものではありません。
長年お墓に関わる仕事をしていると、すごいお金持ちのお客様が自分の土地にお墓を建てたいというご要望を頂くことがありますが、建てられません。
お墓が建てられるのは地目が墓地のところのみ
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)という、厚生労働省が定めている通称「墓埋法」によると、お墓は地目が墓地のところにしか建ててはいけないことになっています。
地目が墓地のところは?
地目が墓地のところは次の3つに分けられます。
寺院墓地
まずは、寺院墓地です。
ときどき、寺院の中であればどこでもお墓を建立できると思っている住職もいらっしゃいますが、そうではありません。
寺院でも地目が墓地のところが一切ない寺院もあります。
霊園墓地
霊園墓地は市立霊園や都営霊園などの「公営霊園」と「民間霊園」に分かれます。
民間霊園の場合は「墓地経営許可の承認番号」がチラシやホームページに記載されているか確認しましょう。
認可されていない無許可の霊園は避けた方がいいでしょう。
みなし墓地(一般墓地)
「みなし墓地」は古くから、その地域や集落にある墓地です。
町の中にあることが多いですが、その地域の人しかお墓を建てることができないところがほとんどです。
管理組合があり、しっかりと管理されているところもあれば、組合がなく無縁墓が増えてきて雑草が生えているような墓地もあります。
墓地・霊園選びのポイント
①公共交通機関を使用して行けるところがいい
若いうちは自動車でお墓参りに行きますが、80歳を超えてお墓参りに行こうと思うと車は危険です。
基本的に、民間霊園は人里離れた山手か海の近くということが多いです。
霊園の目の前に電車やバスが停まるということは稀ですから、最寄り駅から霊園の送り迎えのシャトルバスがあるかどうかの確認は必ずしてください。
近年では、民間霊園にお墓を建てた人が高齢になったことで都心の交通の便のいい寺院にお墓を建て直すということも出てきています。
自分がお墓参りに行くことだけでなく、将来、子や孫が遠方に行ってしまって年に数回しか地元に帰れないときに、一日お墓参りにかかるということがないように考えましょう。
②宗旨宗派が関係するかの確認
比較的交通の便がよいところにある寺院墓地ですが、その寺院の檀家・門徒にならなければ、お墓を建てることができない寺院がほとんどです。
檀家になった場合、その寺院で葬儀を行い戒名・法名を授からなければ、お墓に納骨をしてはいけないという厳しい寺院も存在します。
子や孫がそのことを知らず、葬儀に別の寺院の僧侶を呼び、問題になったケースを何度か聞いていますのでお気をつけください。
③墓じまいのときに費用が高額にならないかの確認
お墓が代々続けば一番いいのですが、子どもや孫が結婚・出産し地元に残ってくれるとは限りません。
遠い将来、お墓じまいをする可能性があります。
お墓じまいをするときに、墓地が広く、石の量(才数)が多いと高額になります。
また、ミニクレーンやユニック車などの工事機械や工事車両が入りにくいと費用が高くなります。
急斜面や、お墓までの道が狭かったり、他のお墓に囲まれていると工事がしにくいです。
あとのことまで考えて、墓地探しをするのが賢明です。
全ての条件を満たす墓地は少ないので自分が大切なことを明確に
今までに100カ所以上の寺院墓地や民間霊園・公営霊園を仕事で見てきました。
景色もよく、交通の便もよく、年間の管理料も安いといったような墓地はありません。
景色がよいところは都心から離れていますし、交通の便がよい都心は墓地が狭かったり、永代資料料や年間管理料が高いことがほとんです。
あまりに年間管理料が安いところや、管理料がないところは将来にわたって運営ができるのかも疑問です。
都心でお参りがしやすく趣がある寺院墓地にお墓を建てるには、檀家になる必要があります。
自分や家族、将来の子孫のことを考えて「何に重点を置くか」を意識する必要があります。
墓地(お墓の場所)は比較検討し、見学に行くのが一番
複数の霊園の資料を取り寄せ、その中から2カ所から3カ所の霊園を見学することが墓地探しに失敗しないコツです。
寺院や霊園により、墓地の魅力はさまざまです。
比較検討することで失敗しない墓地選びをすることができます。
それでは。
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