エンディングノート(終活ノート)とは「終活の手引書」である
エンディングノートとは、人生の終末期に向け自身の希望や伝えたいことを、家族や大切な人に残すノートで、終活ノートとも呼ばれています。
エンディングノートに、「介護」・「延命治療」・「葬儀」・「埋葬方法」・「財産」などの項目を書き残すことで、意志を伝えることが難しくなる終末期や、伝えることができなくなる死後に、家族・親族の負担を減らすことができます。
また、家族や大切な人への思いや、自分が生きてきた歴史を伝えることもできるでしょう。
残される家族のためだけではなく、「今までの人生を振り返ることで、自身が今後の人生について考えるきっかけを与えてくれた」と、書き終えた人は言います。
終活カウンセラーとして、供養の現場で働いていると、 残されたご家族から「エンディングノートがあったから助かった」という声を聞くことも少なくありません。
エンディングノートの空欄を埋めていくこと、そのために考えること、準備をすること、決定することが、そのまま「終活」とも言え、エンディングノートを書き始めれば、「終活」が始まったも同然です。
終活が一般化してきている今、エンディングノート(終活ノート)を書く方は増えています。
今回は、終活の専門家である「終活カウンセラー」の筆者がエンディングノートの選び方や・書き方・注意点とともに、おすすめの無料でダウンロードできるエンディングノートや、葬儀の資料請求をすると同封されるエンディングノート、一番人気のコクヨ「もしもの時に役立つノート」についても案内していきます。
エンディングノート(終活ノート)の選び方
エンディングノートを選ぶ際には、自分が書き残したいことのバランスが大事になってきます。
それぞれのエンディングノートによって、項目の違いや、分量の違いがあります。
量が多ければいいとも限りません。
あまりにも項目や量が多すぎると、記入することが嫌になってしまう方もいらっしゃいます。
自分に合ったものを選ぶのが重要です。
しかしながら、近年の終活ブームもあり、その数は非常に多く、ご自身に合ったものを探すことは非常に困難と言えるでしょう。
そこで、今回は専門家である私が、無料のエンディングノート(終活ノート)で人気があるものを実際にダウンロードして印刷し、読み比べました。
▲今回の調査で325ページも印刷して読みました。
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また、一番人気のある「コクヨのエンディングノート」も購入し、無料のエンディングノートと有料のエンディングノートの比較もしました。
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ダウンロードが無料のエンディングノート(終活ノート)
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エンディングノート(終活ノート)の上手な書き方
エンディングノートの記入内容
自分自身のこと
- 自分の基本情報
- 本籍
- 勤務先
- 保険証
- 免許証
- パスポート
- 住民票コード
- マイナンバー
資産
- 預貯金について(銀行名・口座番号)
- 口座自動引き落としについて(公共料金などの各種支払い)
- 有価証券・その他の金融資産について
- 不動産について
- その他の資産について(絵画・美術品・骨とう品・ブランド品など)
- 借入金・ローンについて
- クレジットカード・電子マネーについて
- 保険について
- 年金について
気になること
- 携帯・パソコンについて(デジタル終活)
- WEBサイトのID・パスワードについて
- 宝物・コレクションについて
- ペットについて
- 生活のことについて(管理組合・町内会・習い事など)
家族・親族のこと
- 家族一覧
- 親族一覧
- 親族表(家系図)
- 親族の命日など
- 冠婚葬祭の記録
友人・知人のこと
- 友人・知人一覧
- サークル・習い事・同窓会などの連絡先
医療のこと
- 健康管理(アレルギー・かかりつけ病院・持病・常用薬・過去の病歴)
- 告知について
- 延命治療について
- 臓器提供や献体について
介護のこと
- 認知症になった場合
- 介護をお願いしたい人
- 介護をお願いしたい場所
- 介護してくれる人に伝えたいこと
- 介護費用について
- 財産管理について
- 介護されるときの希望(食べ物・服装・趣味など)
葬儀のこと
- 葬儀の実施の規模について
- 葬儀の業者・会場について
- 葬儀の費用について
- 喪主になってほしい人
- 挨拶をお願いしたい人
- 戒名(法名)について
- 香典について
- 遺影について
お墓や供養のこと
- 埋葬先の有無
- 希望の埋葬方法(墓・納骨堂・樹木葬・永代供養・散骨など)
- お墓の承継者について
- お墓や供養にかかる費用について
遺言書について
- 遺言書を作成しているかどうか
- 保管について
- 最新の遺言書の日付
- 遺言書の種類(自筆証書、公正証書、秘密証書)
- 依頼・相談している専門家の情報
相続について
- 遺産分割の希望(エンディングノートの場合、法的拘束力はなし)
- 相続に関する希望
エンディングノート(終活ノート)を記入するときの心構え
入院をしたり体調が悪くなってから、エンディングノートを書くのは大変なことです。
いつまでも健康と思わずに、頭が働き、ペンを動かせるうちに書くことが大事です。
記入の際は、次のことを意識すると書きやすくなります。
①書けるところから記入する
1ページ目から順番に書いていく必要はありません。
最初から完璧を目指すと挫折してしまうことがあります。
基本の情報や、もしものときの知り合いの連絡先、口座の番号など、簡単に書けるところから書いていくのがいいでしょう。
②後から書き直してもいいので、今の気持ちを書いてみる
健康な時と、体の調子が悪くなった時。
60代の時と、70代の時。
気持ちの変化があっても当然のことです。
将来どうなるかということは深く考え過ぎず、現在の気持ちを素直に書きましょう。
経済状況も十年後には変わっていくはずです。
定期的に記入内容を見直していくくらいの心構えが必要です。
③空欄や抜けているページがあっても気にしない(20代や30代のエンディングノート)
全てを記入する必要はありません。
残される方の立場からすれば、いくつかの項目があるだけでも助かるものです。
どうしても決められないことや、重要度が低いものは無理をして書く必要はありません。
病気になったことをきっかけに、20代や30代という年齢でエンディングノートを書いてみようと思われる方もいらっしゃるようですが、少し書いてみて辛くなったら書くのをやめましょう。
エンディングノートの注意点・気を付けること(遺言書との違い)
遺言書と違い法的根拠はない
遺言書(遺書)と違い、エンディングノートには法的根拠はありません。
特に相続のことが気になる場合は、遺言書を作成されるのがいいでしょう。
ノートに銀行口座や個人情報を記入する場合、保管場所に注意が必要です。
すぐに見つけられるところに置くのではなく、何かがあったときのために、保管場所は信頼できる人物に伝えておくことが必要です。
100円均一のエンディングノートやスマホアプリのエンディングノートはおすすめしない
エンディングノートのスマホアプリも出ていますが、残された人が見つけるのが困難であるため保管がしやすい製本されたものがいいでしょう。
また、100円均一のエンディングノートも何度が読みましたが、内容はいまいちでした。
地方自治体(市町村)が制作・配布するケースも
年々、エンディングノートの認知度は上がってきています。
最近では、市町村などの自治体もエンディングノートを制作・配布するケースもでてきました。
また、終活イベントも各地で開催され、エンディングノートが配布されることも増えてきています。
超高齢社会の日本にとって、「終活」はより身近なものになってきています。
エンディングノートの種類が多くて迷うことも
無料のものや、購入できるもの、葬儀の資料請求をするともらえるもの。
さまざまなエンディングノートがあり、迷われた方もいらっしゃるかもしれません。
「エンディングノート」や「終活ノート」という言葉は知っていても、実際に手に入れて書いている方は少ないのが現状です。
経済産業省が平成23年度にまとめた【安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた調査研究事業報告書】においても、実際の作成経験はわずか2%という数字です。
これは、ノートの種類が多すぎることと、「死」に関することなので入手するのをためらっていることが要因と考えられます。
終活カウンセラーがおすすめするならこの1冊
終活カウンセラーの私が、数十冊のエンディングノートを読み込んで比較した結果、有料であればコクヨの「もしもの時に役立つノート」です。
▲コクヨのエンディングノート「もしもの時に役立つノート」
しかし、どれを選んでも問題ありません。
エンディングノートに少しでも興味を持ち、「終活」について考え始めたこと自体が大事なことなのです。
エンディングノートは「未来の自分への手紙」でもある
全ての人にとっての完璧な「終活」というものは存在しません。
自分ができる範囲で、少しでも考え行動することで、残される人の負担は軽くなります。
また、エンディングノートを書き始めることで、自分の人生を振り返り、今後の人生を有意義に過ごすきっかけになる可能性もあります。
過去を考えることで、見えてくる未来があります。
エンディングノート選びは終活のスタートです。
あなたの終活がうまくいきますように。
それでは。
筆者の取得資格 ・ 修了証
終活・お墓・墓地に関連する資格を取得しています。
終活をまじめに考え、有益な情報をお届けするブログ運営をこころがけております。
▼終活カウンセラー
▼お墓ディレクター
▼墓地管理講習会全課程修了証(公益社団法人全日本墓園協会開催)