終活カウンセラーのMr.Kuyouです。
私が終活カウンセラーの仕事をしているので、母が葬式や供養の話をしてくれることもあります。
「私が死んだときは家族葬でいいわ」
「散骨にしてちょうだい」
なんとなく世間の情報で「家族葬」や「散骨」は安いと思っているのでしょう。
これは私たち子どもに対する愛情なんだろうと思います。
自分の葬式や供養は安く済ませて欲しい。
なるべく負担をかけたくない。
ところが、その「家族葬」が結果的には安くならない場合もあるのです。
家族葬の費用が高くなる場合
2017年に東証一部上場企業の株式会社鎌倉新書が、近2年以内に葬儀を行った経験のある日本全国の40歳以上の男女約2,000人を調査した「第3回お葬式に関する全国調査」 によると、「家族葬」を選んだ人たちの割合は年々増えてきており、38%になりました。(東京都では42%)
その人気の「家族葬」ですが、現役世代や、引退してから数年の人が亡くなった場合、費用が安くならないことが多いです。
家族葬の費用は葬儀会社により、50万円から100万円くらいとバラツキがあります。
普通の葬儀であれば100万円を超えますが、参列者が多ければ、香典で半分くらいの費用が返ってくることもあります。
家族葬は葬儀の費用自体は安くなりますが、家族や親せきは家族単位で香典を出されますので香典は少なくなります。
例えば、まだ仕事をしていて友人もいる私の母が亡くなった場合は、家族葬より一般的な葬式の方が実質的な金銭的負担は少なくなります。
つまり、家族葬の方が高くなるのです。
また、地域によりますが「自分の配偶者や親、親戚の葬儀に参列してくれた人の葬儀には這ってでも行く」という地域もあります。
そんな地域で「家族葬」にしてしまったら大変です。
親族と、ごく親しい知り合いだけの「家族葬」をしたことをよく思わない人がいたり、葬儀が終わった後に自宅に線香をあげに来る人が後を絶たないという話は聞いたことがある人もいるでしょう。
家族葬でも食事の振舞いをし、会葬品をお渡しすることも多い
家族葬のプランは、食事や会葬品の費用が見積に入っていないことがほとんどです。
家族葬といっても、人数には幅があります。
10名くらいから40名くらいまでの範囲で家族葬です。
(葬儀社によって表記が異なります)
10名分の振舞い・会葬品と40名分では金額も大きく変わります。
家族葬が安くなる条件は?
家族葬が安くなる条件は、参列者が少ないことです。
80代や90代のおじいさんやおばあさんが亡くなったときは、親戚も少なく、ご友人や親しくお付き合いしていた近所の方も亡くなっているか動けない状態です。
そんなときは家族葬が安くなります。
そうでない場合は、まだ一般的な葬儀の方が安くなるケースも多いです。
60代や70代は、まだまだ元気で、友人付き合いや近所付き合いが多いことも。
▼2017年度の体力・運動能力調査によると、体力テストの結果を点数化した合計点が70代の男女と65~69歳女性で過去最高(日本経済新聞)
子どもが両親の親戚関係、近所づきあいや交友関係を把握していればいいですが、核家族化が進み別居が普通の現在では、そういったことを把握するのも難しいかもしれません。
夫婦のうちのどちらかに先立たれた場合は、子どもから親に葬式に参列してほしい人のリストをリクエストするか、エンディングノートを書いてもらうようにお願いした方が後々困りません。
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家族葬にすべきかのライン
家族葬にするかどうかは、
- 地域性
- 参列者の人数
- 食事の振舞いをするか
によって考えなくてはいけません。
家族葬という名前で一般の葬儀と変わらないことも
また、葬儀会社によっては「家族葬」という名称であれば申し込みが増えるので、一般的な葬儀の規模の小さいものを「家族葬」と呼んでいるところもあります。
行政から、どういったものを「家族葬」とするのか、葬儀費用についての決まりもありませんので仕方ないと思います。
事前に複数の葬儀社の見積もりをするなど考えたり、夫婦間や親子間で話をしておくことも大事です。
終活の広がりで葬式の話をするのはタブーでなくなってきている
最近では、芸能人が終活の話をすることも多くなり、自分の葬式の話をすることもしやすい雰囲気です。
何も安い葬式をすることだけがいいことではありません。
今後は、自分の考えや予算に合った葬儀プランを考えておき、年齢に応じてプランの見直しをしていくことが普通のことになってくはずです。
それでは。
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