Mr.Kuyouです
コマツ元社長の安崎さん(80歳)が「感謝の会」を開かれました。
新聞広告で会の告知をされたことや、延命治療をしないことを選ばれたことが話題となっています。
治らない病気とわかり、今までお世話になった方に感謝の気持ちを伝えたいということで会を開かれたそうです。
死の恐怖に直面してもなお、周囲への感謝の気持ちをもてるなんて並み大抵のことではありません。
私が担当させて頂いたお客様にもそんな方がいらっしゃいました。
お墓の設計図を持ってきたお客様
そのお客様は、昔エンジニアをされていたそうです。
先祖代々の墓の改修工事がしたいということでお会いしました。
お墓の仕事でお会いするお客様のほとんどは元気な方です。
それ以外は、大切な方を亡くされた方です。
自分や家族の死期が近い方のご対応をすることは、ほとんどありません。
死ぬ準備をしているようになってしまってはいけないというのが理由だと思います。
ですが、そのお客様は、
「これが私の最後の仕事だから」と言って、いきいきと打ち合わせをしてくれました。
打ち合わせには、わざわざ自分でお墓の設計図を描いてきたほどです。
その設計図に不可解なところがありました。
納骨をする地下のスペース(納骨室)のフタを開いたところが半円状にくりぬかれて、空間が広くなっているのです。
私たち専門家がする設計にはない空間です。
聞いてみると、
「骨壺を入れるときに、作業する人が入りやすく作業しやすいようにしたんだ」とのことでした。
私は、その設計を取り入れ、数ヶ月後、お墓はきれいに生まれ変わりました。
そして、それから約1年後、お客様は亡くなりました。
納骨作業をする職人さんといっしょに四十九日の法要とご納骨に立ち会いましたが、職人さんはとても作業がしやすそうでした。
集まったご親族にその話をすると、皆さん喜ばれ、
「あの人らしいね」と言う人もいました。
今でも、そのお墓の前を通る度、お客様の顔や声を思い出します。
そして、「私は自分が死ぬってわかって、人のことまで考えられるかな」と考えるのです。
答えはまだわかりません。
ただ、そうなれればいいなと思いますし、まだまだ修行が足りないなと思っています。
そのお墓のあるお寺には、この先何十年も通う予定でいますから、ゆっくり成長していくつもりです。
安崎さんは、会のあと記者会見し「『終活』の考え方は一人一人違うと思うが、しめっぽいのは嫌なので、楽しんでもらおうとこの会を開いた。多くの人に来ていただき、正直少しくたびれたが、直接感謝の気持ちを伝えることができて満足しています」と話していました。 NHK NEWS WEBより
終活の考え方は、一人一人違っていいのです。
それでは。
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