Mr.Kuyouです。
皆さん、デザインにこだわっていますか?
インテリア・車・家電製品・スマホ etc.
いろいろなものがありますが、同じ価格帯・同じ機能であれば、デザインが気に入ったものを選ぶはずです。
むしろ、機能が多すぎてわからないときは、デザインが選ぶ基準になっているのでは?
ところが、供養の業界では「デザイン」はそれほど重要視されていませんでした。
というより、デザインにこだわりたくても、こだわることができなかったというべきかもしれません。
なぜかというと・・・
今まで、お墓や納骨堂は代々継いでいくものという前提がありました。
次の代の人が気に入るかわからないので、個人の趣味嗜好を入れない方がいい。ベーシックなものがよいという考えです。
また、お墓参りに行かなくてはいけませんから、デザインよりも近いか遠いかという基準の方が優先されていたのです。
供給側にも問題があります。
霊園や石材店は大きい組織であることが少なく、デザインのほとんどを外注しています。デザインにコストがかかるので、売れないと困ります。
そうなると、より多くの人に受け入れられそうな、一般的なもの、今まで売れたものに近いものにならざる得ないのです。
そんな供養業界に風穴を開けたお二人を紹介します。
お墓や霊園のデザイナー
関野らん さん
出典:Life Space UX Lab
関野さんは、東京大学で修士課程まで修了されている才女です。(一級建築士)
日本で初めて、「墓地設計家」というカテゴリーを作った人で、今までに6カ所の墓地の完成に関わり、進行中のプロジェクトも2桁を超えるという今一番業界で注目されている人と言ってもいいかもしれません。
関野さんの素晴らしさはたくさんありますが、単純な設計のよさということだけでなく、その土地、歴史、今後の社会のありかたや、未来を考えながらデザインをされているところです。
お墓というものは、100年、200年と受け継がれるもの。新しい形式の墓地が流行り廃りに関係なく長い目で見て人々に受け入れてもらえるように、真新しいデザインが良い、というわけではありません。古代から遺る古墳やピラミッドなどが、シンプルで美しい形であり今見ても違和感なく受け入れられるように、『現代のライフスタイルや環境にリンクしつつ、人々が受け入れやすいもの』を作りたいと思っています。 出典:Life Space UX Lab
ここまで墓地の設計のことを考えた人が、かつていたでしょうか?
あくまでユーザーファースト、そして文化やライフスタイルを考えられた設計。
今までの、土地1㎡あたりの単価はいくらなのかといった霊園経営とは一線を画す考え方です。
そんな、関野さんが関わった最新の仕事がこちら。
風の丘樹木葬墓地
とても素敵な樹木葬墓地です。
ずっとそこにいたくなるような場所ですね。
新宿から約40分。八王子駅から約10分の立地。
永代供養付区画(個別供養13年) 1人:54万円~ 2人:68万円~
と、東京近辺では安い方ではないでしょうか?
この記事で樹木葬の選び方を書いていますが、「風の丘樹木葬墓地」は芝生の下に骨壺を納め、最後の方が亡くなってから一定期間が過ぎると合葬墓に移すタイプの樹木葬のようです。
すみずみまでホームページを見ましたが、これは売れますね。
実際、現在プレオープン中にも関わらず100区画売れているそうです。
グランドオープンしたら、あっという間に完売するかもしれません。
コンセプトが一貫しています。
何か哲学のようなものまで感じます。
経営主体が寺院というのも、ここまでこだわりを持ったものができた一因な気もします。
多くの利害関係者が絡む民間霊園では、なかなかこんな思い切ったものはできないでしょう。
東京出張に行くとき、見学に行ってみたいですね。
他にも関野さんが関わった樹木葬では、すでに完売になり契約終了になっていたところもありました。
樹木葬は、永代供養が前提ですから、個人単位や夫婦単位で考えます。
あとにお参りする人のことは考えなくてよければ、自分たちが気に入った景観のいいところで眠りたいという人は今後どんどん増えるはずです。場所の制約はなくなっていきます。
「墓地設計家」として有名な人は関野さんしかいませんから、関野さんの仕事もどんどん増えるでしょう。
もしかしたら、私もいつかお会いできる日がくるかもしれません。
福田和哉 さん
出典:カーサメモリア
カーサメモリア
福田さんは「casa memoria」(カーサメモリア)という、いってみれば墓石のブランドを作ったデザイナーです。
通常、お墓を建てるには場所を選ぶのが先にきます。
自治体の公営霊園、公益財団法人などが運営する民間霊園、宗教法人が運営する寺院墓地。
そして、場所を選んでから、お墓のかたちを選ぶのですが、先ほどもお伝えしたように、どこの霊園もそこまでデザインに大差はありません。
ところが、福田さんのデザインは違います。
出典:カーサメモリア
そのほかのデザインは→ラインナップ | casa memoria® - デザイン墓石 カーサメモリア
いかがでしょうか?
多分、皆さんが知っているお墓のイメージと全然違うのでは?
明らかなる個性。
私も惚れこんでしまいました。
福田さんはインダストリアルデザイン(工業製品のデザイン)を学ばれたのち、石材商社でデザインの仕事をされています。
その後、独立されご自身のブランドを立ち上げました。
加工や施工のことがわかっている人ではないと、墓石のデザインはできません。
紙の上できれいなデザインを、実際に建てられるデザインまでにしていくことの難しさは、業界人なら誰もが知っていることです。
それを高いレベルで実現したのが福田さんです。
福田さんは、
個性を重視しながらも決して奇抜ではないタイムレスなデザイン。
和の伝統とモダニズムが交差した美しいカタチが、モダンでありながら何処か懐かしさを感じさせます。
ずっと守っていくものだから、時間を経ても色あせないお墓をつくりたい。
カーサメモリアのお墓は故人と残された人たちを繋ぐ家と考えます。
と語っています。
「新しいけれど、どこか懐かしい。」
そんなことを感じさせてくれるデザインは、福田さんの想いが実現したものだったのです。
「casa memoria」は、取扱店が決まっています。
取り扱いができる石材店に聞き、そこの石材店が建てられる霊園で建てるということになります。
知っている人に話を聞いたところ、値段も普通のお墓とそこまで差はないそうです。
きっと今からもっと有名になるでしょう。
福田さんにもお会いしたいです。
永代供養やお墓もデザインで選ぶ時代に
デザインが重要視されていなかった供養業界にデザインの革新が起こっています。
洋服や自動車のように、あの人がデザインしたから選ぶ。
つまり、デザイナーで供養を選ぶ時代が来るかもしれません。
今回、紹介した二人は「過去・現在・未来」を考えている人だと感じました。
モノとしてだけでなく、精神性も宿したデザインは、きっと多くの人の心を打つはずです。
「終活」も、自分の感性を大事にして、好きなモノを選んでいくとシンプルで迷いがなくなるかもしれないですね。
あなたの終活がうまくいきますように。
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